松元 勇人(まつもと ゆうと)
プロップス株式会社 代表取締役 / AI面接官「MiAI」開発者京都大学工学部卒。hokan COOとして全国47都道府県へのSaaS導入を推進後、2023年にDeNAグループのアクセラレーター「デライト・ベンチャーズ」からプロップス株式会社を創業。前職で年間1,000名以上の一次面接を行った自身の経験から、AI面接官「MiAI」を開発。テレビ出演・メディア掲載多数。
「AI面接を導入したら、候補者からの印象が悪くなって、採用ブランドが傷つかないか」と不安に感じていませんか。
結論から言うと、AI面接のCX(候補者体験)は設計次第で大きく変わります。CXを軽視したAI面接は採用ブランドを傷つけますが、逆にCXへのこだわりを組み込んだAI面接は、人間の面接以上に候補者から好印象を得られるケースもあります。
この記事では、AI面接官「MiAI」の開発者である松元が監修のもと、AI面接のCXを向上させる設計思想と具体的な実装方法を解説します。「AIだけど印象がいい」を実現するための7つの原則、運用時の配慮、候補者からのリアルな声まで、採用ブランドを守りながらAIを活用するための実践ガイドです。
京都大学工学部卒。hokan COOとして全国47都道府県へのSaaS導入を推進後、2023年にDeNAグループのアクセラレーター「デライト・ベンチャーズ」からプロップス株式会社を創業。前職で年間1,000名以上の一次面接を行った自身の経験から、AI面接官「MiAI」を開発。テレビ出演・メディア掲載多数。
AI面接は多くの候補者にとって、その企業との最初の接点になります。言い換えれば、AI面接の体験が悪ければ、企業のブランドイメージが受験した瞬間に損なわれるということ。これは、入社後のエンゲージメント・内定辞退・口コミにまで影響します。
AI面接を受験した候補者のうち、合格するのは一部です。つまり、大多数は「不採用だった企業」として、その体験の記憶を持ち帰ります。採用ブランドを守るには、不採用者がネガティブな感情を持たない設計が必要です。
「〇〇社のAI面接が最悪だった」という投稿は、瞬く間に拡散します。逆に、良いAI面接体験は「丁寧な企業だった」という好感の種になります。CXは単なる候補者への配慮ではなく、採用ブランド形成の戦略的要素です。
MiAIを含むCX重視のAI面接は、共通する7つの設計原則を持っています。
AIが質問した直後、候補者が数秒〜数十秒考え込んでも急かさない設計が重要です。「次の質問に進みますか?」という無理な誘導をせず、候補者のペースに合わせる。これだけで、対人面接に近い心理的安全性が生まれます。
よくないCX: 候補者が5秒黙っただけで「タイムアウトです」と進行される 理想のCX: 30秒以上の沈黙でも、「ゆっくり考えてください」と受け止められる
人間の対話では、発言中に被せられるとストレスを感じます。AI面接でも同じです。候補者の発言が完全に終わってから、AIの次の発話が始まる設計が、自然な対話感を生みます。
機械的な合成音声ではなく、親しみやすく温かみのある声を使うこと。抑揚のある自然な発話は、緊張を和らげる最大の要素です。
多くの候補者はスマホから受験します。スマホで3タップ以内で面接開始できる、縦画面に最適化されている、通信が不安定でも再接続できる——こうしたUX設計が、体験の差を生みます。
「このAI面接は何分かかるのか」「何問聞かれるのか」「どんな評価基準なのか」が事前に明示されていると、候補者の不安が大きく減ります。
本番前に、練習用のAI面接を体験できる仕組みがあると、候補者の心理的ハードルが大きく下がります。人生初のAI面接でも、安心して受験できます。
面接終了後、「お疲れ様でした」「結果は〇日以内にご連絡します」という丁寧な案内があるかどうかで、印象が大きく変わります。
実際にMiAIで受験した候補者から寄せられる声を、匿名化して紹介します。
「人間の面接官だと、最初に雑談で緊張がほぐれるけど、AI面接は最初から本題に入るイメー
ージでした。でも実際は、AIが丁寧に自己紹介と流れを説明してくれて、思ったよりリラックスして話せました」
「考え込んでいる途中で『次に進みますか?』と言われないのが、一番ありがたかったです。人間の面接官だと、沈黙が気まずくて焦ってしまうことがあるので」
— 30代・男性「相性の良くない面接官に当たるのが毎回怖かったけど、AI面接はそれがない。みんな同じ基準で見てもらえると思うと、気楽でした」
— 20代・男性「深夜にスマホから受けられるのが本当に助かりました。仕事終わりに帰ってから受験できたのは、他社の面接にはなかった体験です」
— 20代・女性「不採用だったけど、『お疲れ様でした』という最後の案内が丁寧で、嫌な気持ちは残りませんでした。また機会があったら受けたいと思いました」
— 30代・男性これらの声に共通するのは、「AIだから悪い」ではなく、「丁寧に設計されているから良い」という評価です。CX設計の有無が、候補者の印象を決定づけます。
合成音声が不自然に冷たい/抑揚がなく機械的すぎる。発話トーンだけで「冷たい企業」という印象を与えます。
沈黙数秒で次の質問に移る/「早く答えてください」的な圧力が発生する。候補者のパフォーマンスを下げ、不満の最大要因です。
PCからしか受験できない/スマホで受けると画面崩れが発生する/操作がわかりにくい。受験前離脱の原因になります。
所要時間・必要な機材・受験環境の要件が不明瞭。受験当日の混乱とストレスを生みます。
受験しただけで結果連絡なし/連絡が1ヶ月以上後/テンプレ感の強い拒否メール。最も企業ブランドを傷つけるポイントです。
これらのアンチパターンは、CXを軽視したAI面接サービス+雑な運用で発生します。サービス選定と運用設計の両方で、避ける必要があります。
AI面接サービスの機能だけでなく、運用側の工夫もCXを大きく左右します。
受験URL・所要時間・推奨環境・よくある質問をまとめたメールを送付。動画マニュアルや練習用AI面接へのリンクもあると親切です。
受験で困ったとき、気軽に問い合わせできる窓口(メール/チャット)を明示。「問い合わせできる企業=信頼できる企業」という印象を生みます。
合否結果を3営業日以内に連絡する運用を徹底。遅れる場合も、中間連絡を入れる。
テンプレではなく、「ご応募いただきありがとうございました」「また機会があればぜひ」という気持ちの伝わる文面を用意。
合格者には当日〜翌日に次ステップの案内を送信。スピード感は候補者のエンゲージメントに直結します。
CXを重視した運用は、以下のような定量・定性のメリットを生みます。
「AI面接があるから受けやすい」と感じる候補者が増え、応募数・母集団の広がりにつながります。特に多忙な在職中の候補者にとって、「好きな時間に受けられる」は強力な訴求ポイントです。
受験〜面接〜内定までの体験が一貫して丁寧な企業は、内定承諾率が高い傾向があります。MiAI導入企業の実績では、内定承諾率が55%→70%に向上した事例もあります(当社調べ)。
「〇〇社のAI面接はすごく丁寧だった」という体験が、SNS・口コミサイトで自然に拡散されます。これは広告では作れない、最も強力な採用ブランド形成です。
CXが良かった企業には、不採用でも再応募する候補者や、友人を紹介してくれる候補者が出てきます。長期的な採用母集団形成の資産になります。
CX重視のAI面接サービスを選ぶとき、以下の5点を必ず確認してください。
デモや営業資料ではわからない部分が多いので、自分が候補者として受験してみるのが一番確実です。
20秒、30秒の沈黙で、AIがどう振る舞うかをチェック。急かされない設計になっているかを確認します。
スマホブラウザでログイン〜面接開始までを実際にやってみて、タップ回数・画面遷移の滑らかさをチェック。
複数サービスの発話を聞き比べて、自然で温かいトーンのサービスを選ぶ。合成音声でも大きく差が出ます。
利用企業・候補者の声、Web上の評判、導入事例を確認。「候補者から評判が良い」という明示があるサービスを優先しましょう。
CXへの配慮がないAI面接サービスでは起こり得ます。考え込んでも急かされない/発話が自然/スマホで受験しやすいサービスを選べば、こうした声は大幅に減ります。
はい、ある程度あります。20〜30代は「AIのほうが気楽」と感じる割合が高く、40代以上は「人間の面接官が望ましい」という声も一定数あります。対象採用層に合わせてCX設計を最適化しましょう。
結果連絡の丁寧さが最大のポイントです。テンプレ文ではなく、「受験していただいたこと」への感謝を明示的に伝えるメッセージを用意しましょう。
十分に見合います。応募数の増加・内定承諾率の向上・採用ブランドの形成という3つのリターンが期待できるためです。むしろ、CXを軽視するほうが長期的な採用コストが高くつきます。
あります。事前案内・問い合わせ対応・結果連絡という運用側の丁寧さも同じくらい重要です。サービス選定と運用設計はセットで考えましょう。
AI面接のCX設計のポイントをおさらいします。
AI面接のCXは、「採用を効率化するだけではなく、採用ブランドを育てる戦略」として捉えるべきです。AIだから冷たい、ではなく、「AIだからこそ丁寧にできる」部分を最大化する設計思想が、これからの採用活動の差別化を生みます。
比較検討や具体的な導入手順は、AI面接サービス徹底比較8選やAI面接の導入方法を完全解説もあわせてご覧ください。
「MiAIを開発するときに一番こだわったのは、『候補者が受けて良かったと思えるAI面接』を作ることでした。前職で年間1,000名以上の面接をしていた私自身、『自分が面接官だとしても、候補者にとって良い体験を作れているか』と常に問い続けていました。AI面接は、その問いへの新しい答えの一つです。機械だからこそ、候補者一人ひとりに同じ丁寧さで向き合える。人間だと相性で態度が変わってしまう場面でも、AIならいつでも同じクオリティを保てる。候補者体験(CX)を追求することは、単なる採用効率化ではなく、『候補者に対する企業の姿勢そのもの』を体現する行為だと考えています。CXにこだわるAI面接が、あなたの会社の採用ブランドをより魅力的にする一助になれば幸いです。」
— 松元 勇人