松元 勇人(まつもと ゆうと)
プロップス株式会社 代表取締役 / AI面接官「MiAI」開発者京都大学工学部卒。hokan COOとして全国47都道府県へのSaaS導入を推進後、2023年にDeNAグループのアクセラレーター「デライト・ベンチャーズ」からプロップス株式会社を創業。前職で年間1,000名以上の一次面接を行った自身の経験から、AI面接官「MiAI」を開発。テレビ出演・メディア掲載多数。
「AI面接を導入したいけれど、本当に効果があるの?」「候補者からの評判が気になる」と悩んでいませんか。
AI面接(AIが面接官を務めるオンライン面接)は、2026年現在、大手から中小まで幅広く導入が進んでいます。一方で「AIに採用判断を任せて大丈夫なのか」「導入後に後悔しないか」といった不安の声も少なくありません。
この記事では、AI面接官「MiAI」の開発者であり、自身も年間1,000名以上の面接を行ってきた松元が監修のもと、企業側・候補者側の両面からAI面接のメリット・デメリットをリアルに解説します。導入企業の声や具体的な数字をもとに、あなたの会社に合うかどうかを判断できる内容です。
京都大学工学部卒。hokan COOとして全国47都道府県へのSaaS導入を推進後、2023年にDeNAグループのアクセラレーター「デライト・ベンチャーズ」からプロップス株式会社を創業。前職で年間1,000名以上の一次面接を行った自身の経験から、AI面接官「MiAI」を開発。テレビ出演・メディア掲載多数。
AI面接のメリット・デメリットを理解するには、まず「AI面接とは何か」を押さえておく必要があります。
AI面接とは、AIが面接官として候補者にインタビューを行い、その回答をもとに評価・分析する仕組みです。カメラとマイクが使える端末があれば、候補者は好きな時間・場所で受験できます。
タイプによってメリット・デメリットは変わります。この記事では、主流となりつつある対話型を中心に解説していきます。対話型のなかでも、1回あたり数百円〜数千円の従量課金から、月額定額+従量のハイブリッドまで、料金モデルには幅があります。
AI面接の全体像をまず把握したい方は、AI面接とは?仕組み・種類・受け方をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。
企業がAI面接を導入することで得られるメリットは、大きく5つに整理できます。
AI面接の最大のメリットは、採用担当者の面接工数を大幅に削減できることです。
一次面接をAIに任せることで、応募者のスクリーニングに費やしていた時間をゼロにできます。MiAI導入企業の実績によると、一次面接にかかっていた評価時間を最大91%削減できたケースもあります(当社調べ・2026年時点)。
削減できた時間は、最終面接の質を上げる、採用戦略を練る、内定者フォローを手厚くするといった本質的な業務に再配分できます。
人間の面接官が複数いる場合、「面接官によって評価が変わる」「疲れている時間帯は評価が厳しめになる」といったバラつきが起こりがちです。
AI面接なら、全候補者に同じ基準・同じコンディションで面接を実施できます。構造化面接のフレームワークに沿って設計されたAI面接は、評価のブレを抑え、採用の公平性を高めます。面接官のバイアスに左右されない採用を目指す企業にとって、大きなメリットです。
AI面接は候補者が好きな時間に受験できるため、日程調整の工数がゼロになります。
「夜勤明けに受けたい」「平日昼間は仕事があるから夜に受けたい」といった候補者のニーズにも応えられます。結果として、応募から面接までのリードタイムが短くなり、離脱率が下がるというメリットも生まれます。実際、MiAI導入企業では「応募から30秒で面接開始」が可能になったことで、有効応募数が約20%増加した事例もあります。
面接官の人件費・会場費・日程調整のコストを合計すると、1回の面接あたり数千円〜1万円以上かかっていることも珍しくありません。
AI面接なら、1回あたりの費用は1,000円前後から。特にMiAIは面接1回1,000円から利用できるため、「全応募者に一次面接を実施する」ことがコスト面で現実的になります。面接の母集団を広げることで、採用機会の取りこぼしを防げるのも大きな利点です。
AI面接では、すべての面接が録画・文字起こし・スコアリングされます。
蓄積されたデータを分析することで、「入社後に活躍する人材に共通する回答パターン」を可視化できます。これは人間の面接では得られない、AI面接ならではのメリットです。採用基準そのものをアップデートできるため、採用精度が年々向上していくのが理想的な運用像です。
一方で、AI面接には注意すべきデメリットもあります。導入前にリアルな課題を知っておきましょう。
AI面接は回答内容・話し方・表情を分析しますが、「その場の空気感」や「人柄の機微」までを完全に評価するのは難しいのが現状です。
たとえば、緊張して言葉につまる候補者を「実はポテンシャルが高い」と人間の面接官は直感的に見抜けることがあります。AI面接ではこうした判断は苦手です。
対処法: AI面接を一次面接に使い、最終面接は人間が行うハイブリッド運用にしましょう。AIで候補者を絞り込み、最終判断は人間が責任を持つ形が現実的です。
「AIに評価されるのは抵抗がある」「冷たい印象を受ける」と感じる候補者もいます。
特に年齢層が高い候補者や、対面コミュニケーションを重視する業界では、この傾向が強くなります。
対処法: 募集要項や案内メールで、「なぜAI面接を導入しているか」「評価は最終的に人間が行うこと」を丁寧に伝えましょう。候補者体験(CX)に配慮したサービスを選ぶことも重要です。考え込んでも急かさない、AIが会話を被せないといったCX設計があるかどうかは、デモ体験で必ず確認してください。
AI面接の評価精度は、「どんな質問を設計するか」で決まると言っても過言ではありません。
汎用的な質問だけで運用すると、自社が求める人材像に合った評価ができません。とはいえ、質問設計にはノウハウが必要で、導入初期は人事担当者に一定の負荷がかかります。
対処法: サービス選定時に「質問設計サポートの有無」を確認しましょう。ノーコードで質問を変更できるサービスや、サンプル質問集が用意されているサービスを選ぶと、導入負荷を抑えられます。
候補者の通信環境やデバイスによっては、映像の乱れ・音声の途切れといったトラブルが発生することがあります。これが続くと、評価データが不完全になるだけでなく、候補者の企業への印象も悪化します。
対処法: 候補者向けの事前案内で、推奨環境・テスト受験の手順をわかりやすく提示しましょう。途中で中断しても再開できる仕様のサービスを選ぶと、リスクを最小化できます。
AI面接は、候補者にとっても従来の面接とは異なるメリット・デメリットがあります。企業が導入を判断する際の参考として押さえておきましょう。
候補者側の評価は、企業がどれだけ丁寧に案内・サポートするかでも大きく変わります。候補者体験(CX)への配慮は、企業ブランドにも直結するポイントです。
ここからは、実際にAI面接を導入している企業の声をもとに、現場で感じているリアルなメリット・デメリットをお伝えします。
「今までは応募者のうち半分にしか一次面接を実施できていませんでした。AI面接を導入してから、全員に一次面接をかけられるようになり、採用の母集団が2倍に広がりました。一方、店舗ごとに求める人物像が微妙に違うため、質問設計を店舗タイプ別に作り込む必要があったのは想定外でした」(人事担当)
→ メリット: 全員面接による機会損失の削減/デメリット: 質問設計の初期負荷
「エントリーシートの代わりにAI面接を使うことで、学生一人ひとりの話を聞けるようになりました。志望度の高い学生ほど熱意が伝わってきて、書類選考のときより採用の納得感が上がっています。ただ、『AI面接が不安で受けるのをためらった』という学生の声もあり、事前案内の工夫が必要でした」(採用担当)
→ メリット: ES代替による選考の深化/デメリット: 候補者の心理的ハードル
「一次面接をAIに任せることで、現場の面接官の負担が大幅に減り、最終面接により集中できるようになりました。ただ、AIが拾いきれない『人柄』の部分は、最終面接で人間がしっかり見るようにしています」(人事マネージャー)
→ メリット: 工数削減と最終面接の質向上/デメリット: AIだけで完結させない設計が必要
共通して見えるのは、「AIに任せきりにしない設計」がAI面接成功の鍵だということです。メリットを最大化するには、ハイブリッド運用と丁寧な運用設計が欠かせません。
ここまで紹介したデメリットは、導入設計の工夫で大幅に緩和できます。ポイントは3つです。
AI面接は「人間の面接官を完全に置き換えるもの」ではなく、「人間の判断を補助するもの」と位置づけましょう。一次面接をAI、最終面接を人間という役割分担が、もっとも多くの企業で成功しているパターンです。
機能や料金だけでなく、「自分が候補者として受けてみて心地よいか」を判断基準に加えましょう。考え込んでも急かさない、AIが会話を被せない、スマホからもストレスなく受験できるといった設計がされているかをデモで確認してください。
AI面接は「導入して終わり」ではなく、運用データを見ながら質問や評価基準を改善していくことで価値が高まります。3ヶ月に1回、質問の見直しや評価結果の分析を行う運用ルールを、導入前に決めておきましょう。
導入検討中の企業から多く寄せられる質問をまとめました。
一概には比較できませんが、「評価の一貫性」ではAI面接が明らかに優れており、「人柄や直感的な判断」では人間が優れる傾向があります。両者の強みを組み合わせるハイブリッド運用が主流です。
候補者体験に配慮したAI面接サービスであれば、冷たい印象を与えることはほとんどありません。実際に候補者として受験してみることで、自社が採用したい層に合うかを判断してください。
応募者数が多く、評価の公平性を担保したい職種全般に向いています。具体的には、アルバイト採用、新卒採用、販売・サービス職、事務職などが代表的です。一方、専門性の深い技術職や役員クラスの採用では、AI面接は補助的な役割にとどめるのが一般的です。
運用を始めてから1〜3ヶ月で、工数削減の効果を実感する企業が多いです。採用精度の向上は、半年〜1年の運用データが蓄積されてから本格的に見えてきます。
はい、むしろ採用担当者が少ない中小企業ほどメリットが大きいケースも多いです。月間数件の面接でも、従量課金モデルのAI面接なら低コストで導入できます。
AI面接のメリット・デメリットをおさらいします。
企業側のメリット
企業側のデメリットと対処法
判断のコツは「デメリットが自社にとって許容可能か」を見極めることです。メリットが大きくても、デメリットの対処ができない運用体制なら、成果は出ません。
迷ったときは、まず無料デモで候補者体験を確認し、自社の採用フローに自然に組み込めるかを試してみてください。複数サービスを比較検討したい場合は、AI面接サービス徹底比較8選も参考になります。
「AI面接の導入相談を受けるなかで強く感じるのは、『メリットだけでなくデメリットもきちんと理解している企業ほど、導入後の成果が出ている』ということです。AI面接は魔法のツールではなく、人間の採用判断を支えるパートナーです。デメリットを正しく知り、自社に合った運用設計をすることが、採用課題解決の近道だと考えています。この記事が、皆さまの判断材料の一助になれば幸いです。」
— 松元 勇人